Res20 引用 |
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>18は落ち着いて読み返してみると、感情論に突っ走って勢いこそありますが、わかりにくいですね。
落ち着いて、論理的に分析してみましょう。また長くなりそうなのでPCから投稿します。 というわけで真エンディング再分析。(←冷静になった)(たぶん)
・真エンディングでの聖竜の言葉の意味 これを考えるには、OP〜通常エンディング〜真エンディングのストーリー中の謎を分析するのがよいかと思います。 ポイントは以下の点。 ・勇者と魔王(邪神)は表裏一体? ・勇者の力 ・時渡り
まず勇者の力については、主に以下の能力がありますね。 ・雷を操る ・時渡り(現在に戻れる) ・大樹や人物とそれにかかわるものから過去の出来事を見る共鳴能力 ・時の精霊や黒い精霊など不可視のものを見る ・勇者の剣(真・改など)の使用 ・命の大樹、聖竜などとそれにかかわる神聖なアイテムに関われる あとなんかあったけど思いつかないので、とりあえずこんなところで分析してみましょう。 このうち重要なものが、「時渡り(現在に戻れる)」能力です。 主人公は2度、時のオーブの力を借りずに過去に戻っています。一度目は序盤のイシの村、二度目は昔日のユグノア城です。 一度目のイシの村については、オープニングの神の岩イベントの直後に、エマのこんなセリフがあります。 「そういえば私、昔この木にスカーフをひっかけて、大泣きしたことあったね。(主人公)はそれを何とかしようと村中駆け回ってくれて…」 (セリフの細かいところは間違ってますがご容赦を) このセリフの意味がわかるのが滅ぼされたイシの村にたどり着いたとき。 子どものころの主人公が「スカーフをとるために村を駆け回った」とは言っていますが、「とってくれた」とは言っていないのがみそ。 取ってくれたのは、未来の自分、大樹の力で過去の祖父に会いに来た自分自身でした。 このイベントは切ない上に、重大な意味を持っています。ドラクエVのサンタローズで、落ちた天空城を再び浮かび上がらせるために、幼いころの自分自身からゴールドオーブを受け取りに行くイベントと一緒なのです。 もう二度と戻れない幸せだったころの自分自身に会う。この瞬間、世界には一時的にとは言え、勇者の力を持つものが二人存在することになる。お互いに影響を受けあうことはないが、未来の自分はそこで突き付けられます。 もう、二度と過去には戻れない、と。 そして告げられます。 「人を恨んじゃいけないよ。」と。
ドラクエVで少年の自分に大人になった主人公が語り掛けるシーン。 「ぼうや、つらいことがあってもくじけちゃだめだよ」 少年の自分が答えます。 「うん、ぼく、どんなにつらいことがあっても負けないよ」
この先に何が起きるのか知っているけど、語ることも、大きく変えることもできない。少年の11主人公は大人になった自分に「エマのスカーフをとってくれてありがとう!また遊びに来てね!」と元気に言いますが。 もう二度と、少年の自分に会うことはないのです。この時、この瞬間の過去には戻れない。どんなに今がつらくても。 そして戻ったイシの村。気づくとあたりはがれきの山で、たった今見た思い出の村は跡形もありません。 つらい、悲しいイベントです。 ただこれではっきりしていることがあります。 勇者の力は一時的に、二人存在することができること。(一方がまだ目覚めていないという条件はありますが) 勇者の力による時渡りでも、時のオーブによるものでも、過去の世界に影響を与えることができること(エマのスカーフをとってあげて、それをエマが覚えている) この辺りは昔日のユグノア城でも一緒ですね。 勇者の力を奪われたはずの主人公ですが、力を取り戻す前にデルカダールで過去のグレイグの記憶を見て、さらにユグノアではアーウィンの亡霊に触れることで過去の世界に飛んでいます。ただし、イシの村と違って、主人公はものに触れることはできるけど、姿は誰にも見えない透明状態。勇者の力をとられた影響か、それとも大樹の力が衰えたせいか。いずれにしてもかえって都合がいい状態。 ここで亡き両親の姿と、何が起きたのか事件の全貌を見ることができました。 そして少しだけ、昔日のユグノア城に助力もしている…かどうかはプレイヤーによるのでこれは割愛。 ただ、少なくとも、昔日のユグノア城を巡ると、主人公が敵を倒した分、パ^ティー会場に逃げ込んだクレイモラン国王とサマディー国王は間近に迫った敵の脅威から少しだけ逃れることができ、さらに魔物たちの最大の目標である赤ん坊の主人公が早々に城を出たおかげで、最終的に両方の国王は無事に自分の国に帰れました。逆に、幼いマルティナと主人公たちを追って助けようとしたデルカダール王はウルノーガに乗っ取られ、アーウィンを手にかけます。
・勇者と魔王(邪神)は表裏一体か? この昔日のユグノア城。ついでにいうと、主人公にとって、自分自身が最大の絶望であったということも見て取れます。 悪魔の子と呼ばれて追われ続けた主人公ですが、それは違う、とベロニカ・セーニャ姉妹が否定してくれた上に、昔日のユグノア城でも、両親が「危険な存在」とされた勇者の自分をかばい、大切にしてくれていたこと、そして勇者を一度はデルカダール王も認めてくれたことを知ります。 だけどその直後のイベント。 「この記憶はお前の中で最も忌まわしい絶望の記憶… お前は勇者の力を奪われて魔王を生み出してしまった。そして世界は壊れたのだ。 お前は世界を救えなかった… お前は誰も守れなかった… それは無力な勇者の罪…」 どのプレイヤー自身も一度は思ったかもしれないこと。 勇者と魔王は表裏一体とは、本当のことかもしれない、と。 これはそういうイベントです。結果として、母親の声に導かれて絶望から立ち直り、自ら希望の光を、勇者の力をよみがえらせる主人公ですが、心の傷が深かったことがこの一連のイベントから読み取れます。 実は同じようなことは通常エンディング後にも一度起きています。 邪神ニズゼルファの魂?と思しき黒い精霊、主人公にしか見えない謎の存在です。 一度は魔王ウルノーガと戦って勝利し、ベロニカを救いたいという思いから時を越える主人公ですが、結果として黒い精霊、邪神ニズゼルファの魂がついてきてしまい、一度は滅びたはずの邪神の肉体が復活してしまいます。 主人公が時を渡らなければ、邪神が復活することもなかった。 それを踏まえてのウルノーガの言葉。 「時を越えてきたのはお前だけだと思うなよ…」 表面上はなんてことないセリフですが、もたらしたものとそれによる戦いを思うと、とんでもなく重い言葉ですね。時を越えてきた勇者が、ウルノーガ自身にとっても宿敵であった邪神をもたらしたと暗に言っているのですから。
・時渡り(時のオーブ使用・過去に戻れない)について 時渡りは、歴史上書きか、パラレル発生か? これは意見が分かれるところ。
私は歴史上書き派です。が、実は最初の時渡りの時に、他でもない仲間たちがパラレル派と上書き派で割れている描写があります。 時の番人(のちにセニカと判明)に「時渡りは世界にとって大きな選択(中略)仲間たちに別れを告げ、一人で過去に戻る。あなた自身がどうなるかわからない…」と言われて、仲間たちが一斉に主人公を止めようと立ちはだかるシーン。 彼らのセリフから、時渡りをどう考えているか少しだけわかるのです。 歴史上書き派→グレイグ、シルビア パラレル派→ロウ、マルティナ 上書き派だけどパラレルの可能性も捨てきれない→カミュ 上書きであってほしいけど、パラレルの可能性もある上に時渡りのリスクに気づいて悩んでいる?→セーニャ グレイグとシルビアは明快ですね。 グレイグ「過去の俺はお前と敵対する立場だろうが、お前が望んでくれるなら何度でもお前の盾になる」 シルビア「さよならは言わないわ、だって過去でまた会えるものね♪」 ロウは賢者だけあってパラレルの可能性に思い至っているのか、「過去でまた会える」ということは一切言いません。むしろ、永遠に孫を失うと考えているらしく、「いい顔になったのう」「わしはお前を誇りに思うよ」といった、永遠の別れを覚悟したようなことを言います。 (時渡りの際には必死に主人公の名前を呼んで涙ぐむ) マルティナも「あなたのおじいさまによく顔を見せてあげて」と、パラレルの可能性を考えているかのような、別れの言葉を言います。 カミュはどちらかというと上書き派のような態度。むしろ、セーニャを気遣って背中を押しています。彼の別れ際の言葉は 「(主人公)!俺たちはもう一度、お前と旅をするからな!」 上書きであってほしいけど、もしかしたらもう会えないかもしれない、という可能性を考えているかのような言い回し。時渡り前に、時渡りのリスクを知りながらそれでも行く、と主人公が決めたとき、最初に認めてくれたのはカミュでした。上書きだと望むから「もう一度旅をする」と決意を述べているけど、カミュは盗賊ながら、古代のオリハルコンなどのお宝や遺跡に詳しく、しかも古代図書館で天文学の本を読みこなすほどの知恵者です。単純に歴史上書きにはならないかもしれない、と彼なら考えてもおかしくない。 そしてセーニャ。 姉ベロニカを救いたいと思っての時渡りですが、自分は行くことができない。しかも、時を渡った本人が失敗して消える可能性があり、さらには永遠にこの場所には戻ってこない。 歴史が上書きならば姉も主人公も、望んだセーニャ自身も救われますが、パラレルの場合と主人公が時渡りに失敗した場合はどちらも姉は死んだまま、主人公は自分が望んだばかりに永遠に失われ、セーニャ一人が後悔と悲しみを抱えたまま取り残されます。 その可能性に思い至ったのか、ぎりぎりまで迷っていたセーニャ。でも止められない、と泣きながら主人公に告げます。 「また、私を…見つけ出してくれますか?」 セーニャのためには、歴史は上書きであったほうがいい。私はそう思ったイベントでした。
時渡り(時のオーブ使用)のポイント二つ目。 ・歴史の分岐点はどの時点で発生するか?
これも重要ポイント。主人公が過去に戻った時点で歴史の分岐点と思われたのは、ホメロスとの対決でした。でも、実際の分岐点は違います。 ホメロスとの対決→デルカダール王(ウルノーガ)がホメロスにとどめを刺す→デルカダールに戻る→ウルノーガと対決=この時点が歴史の分岐点。 ウルノーガの目的は勇者の剣。ホメロスに勇者を倒させようとして襲わせますが、彼が返り討ちにあったことで、勇者の力を奪わずとも、勇者の剣さえ手に入れれば、大樹の魂を手に入れることができると方針転換したと思われます。 主人公自身もフラッシュバックで、デルカダール王にウルノーガが取り付いているシーンを思い出しているので、警戒しつつもデルカダール王の出方を見守っていました。好意的にふるまう姿に戸惑ってもいたのかも。 もしあそこで邪神ニズゼルファの魂がちょっかいを出さなかったら、勇者の剣を巡って、主人公とグレイグの対決が起きたかもしれませんね。グレイグはあの時点では、まだデルカダール王の異変に気付いていませんから。(ホメロスがやられたことで、だいぶ混乱はしていますが) 結局、邪神のちょっかいのおかげで、歴史の分岐点は時渡りをしてからだいぶ後になります。少なくとも最低一晩近く、時間がずれます。 そしてウルノーガと対決、勝利後に、重大なシーンが流れます。 主人公が壊した時のオーブの破片を見て、時の番人セニカが頷くシーンです。 パラレル発生派にとっては、このシーンがパラレル発生の根拠となります。 でも、歴史上書きだとしても、このシーンは説明がつきます。時渡りによる歴史の分岐点の発生タイミングによって、歴史改変にタイムラグが生じる(実際生じている)からです。 主人公が過去に戻る決断をして、戻った時は聖地ラムダ到着直後の聖堂のイベントの最中。 「長老の話を聞いている最中にいきなり消えるんだから…」→この時点で過去の主人公の存在は抹消される そして始祖の森へ、命の大樹へのぼり、ホメロスと対決。プレイヤーによってはやり残したクエストをやったりして、当初の時間よりもかかっている場合もあれば、主人公が強くなっている分、さっさか進める人もいるかもしれないので、このあたりの時間の経過は元の時間とあまり変わらないと考えたほうがややこしくなくていいでしょう。平均して大体同じくらいの時間経過として、約一日。 翌日が本来ならば歴史の分岐点となるホメロスとの対決。ですがここで一度歴史が変わり、ホメロスを倒してデルカダールへ。いきなりルーラで飛べますが、デルカダールの城下町をうろついたり、あちこち飛んだりもできます。最短で考えてその日の夜、ウルノーガと対決。 一日分のタイムラグがここで発生しているわけです。主人公が旅立ってから一日、主人公が時渡りに成功したか失敗したか、時の番人がじっと見守っていたとすると、飛ばされる前(未来)と飛ばされた後(過去)との間に、時間軸の違いはあれ同じだけの時間の経過があることになります。タイムマシンで過去に3日間いたら、三日後の未来に戻ってくるようなものですね。世界が同じなので、時間軸が違っても、それぞれに経過する時間は同じという考え方です。歴史の分岐点が発生した時点で歴史の上書きが始まるので、過去に行ってからしばらくは、元の世界の消滅は始まらない。 回りくどくて長ったらしい考察ですね。もう少しお付き合いください。
・聖竜はなぜあのタイミングで勇者の称号を与えたか?そしてその言葉の意味は? 先の考察、歴史上書きであっても、歴史の分岐点の発生タイミングがいつになるかによって、元の世界の歴史上書きが始まるタイミングがずれる、という考え方に基づいて考察します。 セニカを過去に送って、それから聖竜に会いに行く。わざわざ聖竜に会いに行かなくても、一応主人公は世界の国王ともいうべきデルカダール王に「勇者」 の称号をもらっています。 過去に戻り、ウルノーガを倒したあの時点(歴史分岐発生点)で。 それがなかったとしても、邪神との対決を終え、すべての勇者と邪神の因縁を断ち切った時点で、聖竜が現れて勇者の称号を与えても一向にかまわないはずです。でも、そうではなく、セニカを過去に送ったあとだった。 これはなぜか? この部分こそが私が歴史上書きだと思う重大ポイントの一つなのですが、まずは勇者の心情といいますか、経験したことを数えなおしてみましょう。
・一度ならず、故郷や世界の滅亡、仲間を含む多くの人々の死亡という絶望的なシーンを見ている(多くは自分が存在したせいといえなくもない) ・一度ならず時渡りを経験済み ・「勇者と邪神の因縁」を経験済み
箇条書きにするとなんのこっちゃ?ですね。 これを心情的に表すと、魔王を倒し、邪神を倒して、現在における世界を救うことができた。ですが、そもそも過去に邪神がウラノスを操らなければ、裕也ローシュが死ななければ、こんなことにはならなかった。 魔王ウルノーガの存在がなければ、ユグノアもバンデルフォンも滅びなかった。 ユグノア出身である主人公ですが、実際のところほとんど記憶はなく、思い出のある故郷と言えるのはむしろイシの村のほうです。でも、祖父のロウは ユグノアを復興させたい」とことあるごとに言いますし、仲間のグレイグはバンデルフォン出身、過去に戻った直後に「バンデルフォンが幼いころに滅ぼされた」「おれは、もう二度とバンデルフォンと同じようなことが起きないようにと願って騎士の道を選んだのだ」という話をしてくれます。 グレイグが勇者を「悪魔の子」として執拗に追っていたのは、単に大恩あるデルカダール王に命令されたから、だけではなく、滅ぼされた故郷の悲しい思い出があるからだとそこで判明します。 それだけに、魔王に一度滅ぼされた世界で、グレイグが主人公と再会するまで、「まるで己を傷つけるかのように戦っておる(Byデルカダール王)」と言われた時の心情が理解できます。 もう自分の故郷のように滅びる国を見たくなかったのに、こうして世界が滅んでしまった…という嘆きですね。 さらに過去で再会した預言者。勇者の力について助言し、カミュを導いて助けてくれたその正体が、他でもないウラノス。ウルノーガの半身であり、かつての勇者ローシュの親友だったひと。 自分が必死に抵抗したのにも関わらず、己の心の闇が親友を殺し、魔王となり、世界のあちこちで国を滅ぼした…と彼の後悔と償いの思いを聞きます。 同じように、試練の中で、ネルセンにも出会います。 何よりもセニカ。勇者ローシュの恋人であり、死んだ彼を思っていくつも歌や詩を作り、禁じられた時渡りに手を出して失敗し、時の番人となった。 彼らの思いをすべて見てきた勇者が、彼らを救いたいと思ったからこそ、最後の最後でセニカに力をたくしに行ったのではないでしょうか?
オープニング直後、勇者の力が目覚めながら、自分では思うように力を使えなかった勇者。 長い旅の末に、自分の力を自由に扱えるようになり、さらには「力は取られたけど、取り返すのではなく、自らよみがえらせることができた」わけです。 ウルノーガに奪われた力は目覚めきっていない、操り切れないでいた時点での力の一部分。それでもウルノーガは大樹に影響力を及ぼし、勇者の剣を手に入れることができました。あれは11勇者自身にとっては絶望の記憶かもしれないけれど、あの経験があったからこそ、「自分の力はやり方しだいによっては誰かに分け与えることができる」と理解できたのだと思います。
閑話休題。 ちなみに、勇者の剣自体は名前からして「勇者の剣」ですし、もともと勇者ローシュが己の力を込めて作った剣ですから、大樹の魂の中に入れるのはたぶん誰でもできたんでしょうね。セニカが大樹に剣を預けることができたのは、勇者の力のあるなしには関係なく、勇者の剣自体が大樹に入ることができる存在、大樹が剣を受け入れたから預けられた、と考えます。 大樹の魂の前に剣をかざしたら、勝手に剣が入っていく、そんなイメージ。
セニカを過去に送る。方法もそのための条件も11主人公、勇者はもうわかっています。 ほかの仲間は何も知らない。経験していないんだから当たり前ですね。ただ純粋に、セニカを救える、と思ったかもしれません。 でも、過去の時渡りを3度も経験している主人公ならば理解できること、そして絶対に仲間には告げられないことがあります。
過去に影響を与えたら、未来が変わる。 勇者と邪神の因縁を過去に断ち切ったら、自分は生まれてこない。 そもそも邪神がローシュに倒されていたら、勇者の星は現れず、勇者は生まれてこなかったはずです。 ベロニカとセーニャが初めて仲間になった時に、ベロニカが言うセリフがあります。 「あんたは過去に災厄をもたらした邪神を倒した勇者の生まれ変わりなのよ」 「邪神は倒されたのに、なぜ勇者がこの世に生を受けたのかわからない」 「その理由を知るために、聖地ラムダからあたしたちが選ばれたってわけ」
理由はのちに明白になりますね。 邪神は本当は倒されたわけではなく、封印されただけ。 かつて邪神と戦った勇者は、とどめをさすときに邪神に操られた親友に裏切られて殺された。そのために邪神を本当に滅ぼすことは誰にもできなくなった。 そして11オープニングの黒い精霊。 邪神ニズゼルファの魂が、赤ん坊の勇者の姿を見る。未来の宿敵であり、命の大樹の化身でもある。そもそも勇者が生まれる前にとっとと勇者の星を呼び寄せて、復活すればいいじゃないか、とつっこみいれたくなりますが、邪神側に言わせれば、あんな時の精霊の姿になって、せいぜいできることと言ったら、ウルノーガの手をびしっとひっぱたく程度。 封印の解けるタイミングと、封印を解くだけの力がないと、邪神に戻りたくても戻れないんだって言い返されそうです。勇者誕生のあの時点では、おそらく邪神の魂はまだ力不足。宿敵勇者の成長をいやいや見守りながら、自分の力が溜まるのを待つしかなかったのかもしれません。 幸いなことに(?)ウルノーガが赤ん坊の勇者を狙ってくれたおかげで、あとは封印を解くだけの力が溜まるのを待つだけだったのかも。でも、それは一度、ウルノーガに阻止されてしまいます。 勇者にくっついて過去に戻り、ようやく邪魔なウルノーガもいなくなって、まだ勇者が本当の宿敵邪神の存在に気づいていないうちに、と元の姿に戻ったのだと思われます。 つまり、11主人公、勇者が生まれたのは、邪神の魂がよみがえろうと動き出したからだとわかります。ウルノーガは勇者誕生の理由にはならない。 ウルノーガが勇者誕生の理由なら、古代プワチャット王国が滅んだ時、バンデルフォンが滅んだ時に、勇者が生まれていなければならないはず。でもそれらしい描写は一切ありませんでした。 11主人公は、先代勇者ローシュの悲劇を知ることで、初めて自分が生まれてきた意味を悟ることになるわけです。
邪神と勇者の因縁を断つ。ただそれだけのために生まれてきたのだ、と。
長くなりそうなのでここでいったん切ります。てかすでに長い… |